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変化していく社会を待つのではなく、実現させたい社会に向けて動き出す~住友化学、SDGsを未来を考えるきっかけに~


 2015年に国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されました。また、国内においてもGPIFがESG投資にコミットメントするなど、ますます注目を集め始めているSDGsですが、住友化学株式会社は、以前からSDGs特設サイトを開設するなど、様々な先進的な取り組みを行っています。

 今回は、住友化学CSR推進部部長福田加奈子さんに、どのような取り組みを実施されているのか、また積極的な取り組みを行われている背景について、お話を伺いました。



事業精神と一致していたSDGs

 ーSDGsをどのように捉えていらっしゃいます

 住友化学福田さん(以下福田):SDGsが住友化学の事業精神、経営理念と一致していたため、SDGsが発表された時に、何も違和感がありませんでした。特に、経営理念でもある”事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する”というものが、SDGsそのものであると感じ、グローバルな化学会社として、技術を通じて新しい価値創造をしながら、これからの人類社会に役立つ新たな価値を持続的に提供していくことで、地球全体の持続的な成長に繋がると考えています。また、SDGsは、取引のない企業やステークホルダーとも各々の価値観をSDGsを通じて共有できるような共通言語の役割を果たしているように感じます。

 -SDGsに取り組むことでの企業のメリットについてはどのようにお考えですか。

 福田:メリットと言うより、当たり前のことですが、社会が求めているものを提供していかなくては、企業は存続していかないと思いますので、存続していくために取り組まなくてはならないものであると考えています。SDGsという17の目標が存在することで、様々な視点から、変化していく社会に先駆けて対応していくことにより、競争に勝ち、企業が生き残っていくことに繋がるのではないかと思います。

持続的な社会に向けた製品の認定制度やSDGsに向けた取り組みのアイデアを募集

 -住友化学の現在の取り組みについて教えてください。

 福田:まず、Sumika Sustainable Solutions(以下SSS)についてお話します。SSSは、持続可能な社会に貢献する製品や技術を認定する制度です。SSSは、売り上げ目標を設定することで、持続可能な社会に貢献する活動を事業活動として推進することを目的としています。また、もう1つの取り組みは、社内の意識変革です。もしも全社員約3万3千人が少しでも行動を起こそうと考えたら、すごく大きな力になるのではないかと思い、サステナブルツリーという取り組みを世界中のグループ会社と共に実施しています。サステナブルツリーでは、個人もしくは職場単位で、SDGsに貢献する取り組みを考え、社内のHPに投稿するというものです。優れた取り組みをニュースレターとしてまとめ、配信することで、他の社員への刺激になると同時に、SDGsを深く理解する契機となるのではないかと考えています。また、各部門で、事業を通じたSDGsへの貢献を意識していくために、SDGsを使った活動計画を作成し、分野ごとに重点的に取り組み目標を定めることを社内、またグループ会社で始めています。

 -SDGsとは何かということを11ヶ国語でメールで配信されたということなのですが、多くの言語で配信した目的や実際の反応について教えてください。

 福田:11ヶ国語で配信した趣旨は、より多くの人に、理解してもらうということと、英語が母国語でない人たちが、自分たちに向けて発信されていると感じることで、『自分事』として捉えてもらえるようにするという意図もありました。例えば、ブラジルからはサステナブルツリーにおいて、投稿数も多く、質の高い投稿が多かったです。


社長の意識が社内への浸透に影響している

 -SDGsが社内に浸透した理由が、社長が率先してSDGsに取り組もうと舵を取っているためでもあると思うのですが、社長が具体的に行われている活動がありましたら教えてください。

 福田:毎日、SDGsのバッジを付け、事あるごとにSDGsについての呼びかけを実施し、株主総会の場でも、株主の方々に向けて、バッジやSDGsの意味を説明しています。このように、社長が率先して呼びかけを行うことで、社員の意識というものも変わってきているのだと思います。

 -株主の方々にSDGsについて説明を行ったというお話でしたが、株主の方々の反応はどのようなものですか。

 福田:株主や投資家の方々からの質問はありませんでした。むしろ、投資家の方に、SDGsへの取り組み、つまり、持続可能な社会の実現への貢献にプレッシャーをかけて欲しいと思っています。これから、投資の基準も変わっていくのだと思いますが、非財務活動が、今後の財務活動に影響している訳ですから、投資家の方々には、ESGやSDGsの取り組みなど、非財務含めた、会社全体の取り組みに、より注目してもらいたいです。 

理解した後に、本当の難題が待っている

 -SDGsの取り組みを実施するにあたり、現在抱えている課題がありましたら教えてください。

 福田:理解ができた後、実際に事業活動に落とし込むという部分も難題の一つだと感じています。リーダーが部署の事業の方向性、意義を部下に伝え、自分たちの役割を認識させることにより、職場内での議論が活発になり、意識付けが浸透し始めている部署も存在します。こうしたステップを経て、他部署でも、事業精神に基づいた事業や、SDGsへの取り組みが普通になっていくのではないかと考えています。また、SDGsと関連深い分野や製品と、カスタマイズが必要な領域があると認識しており、そうした分野に、どのようにアプローチしていくかは課題があると感じています。

一緒に実現したい社会について考えていきませんか

 -これからSDGsに関して、社会の認識も変化していくと思うのですが、2030年を担う若者に何かメッセージをいただけましでしょうか。

 福田:明日がどうなるのかも分からないのですから、未来がどうなるのかということを予測するのではなく、どのような未来、社会にしたいのかを考えて欲しいと思います。その社会を化学の技術で実現できるのが、化学会社であり、それが、化学会社に勤めることの幸せであると弊社社長も言っています。そして、弊社としては、実現したい社会に貢献していくために、SDGsを上手に使っていきたいと考えています。

(インタビューアー:望月、今井)

インタビューを終えて

 住友化学の取り組みとして、印象的なのは、SDGsを未来や将来を考える契機として活用されている点です。日々の業務や活動の中で、どうしても、目先のことに目がいきがちですが、目線や意識を変えるきっかけとして、SDGsを活用されています。

 例えば、サステナブルツリーの企画は、経営陣やCSR担当者だけではなく、全社員が関与するきっかけとして、また、意識改革やコミュニケーションの活発化などの観点からも、他社でも参考になるものではないでしょうか?

 特に、広いバリューチェンを構築している企業においては、グループ会社や関連会社に経営理念や事業方針を伝えるためのツール(共通言語)としても活用できるかもしれません。

 また、2030年を担う現在の学生達にとっては、企業を選ぶ際、2030年にどういう未来を描いているのか?また、そのためにSDGsや社会へどのような貢献をしているのか?ということも企業を選んでいく際の、判断基準の一つとして、重要視されていくのではないかと思います。

SDGs Insightでは、SDGsの取り組みを実施する企業や地方公共団体などの活動を調査しています。インタビューを実施させて頂ける企業・団体を随時募集しています。お気軽にお問い合わせください。

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